格闘家から農家に転身し、秋田県大仙市でこだわりのネギを栽培している男性がいます。農薬を使わずに育てたネギは、メロンやマンゴーに匹敵する甘さを誇り、東京の料理人をも驚かせています。自らのブランドを築くという目標に向かって挑戦を続ける男性を紹介します。
大仙市横堀の農業用ハウスでネギの出荷準備をしているのは、ネギ農家の田畑雄基さんです。
東京都出身の田畑さんは2017年の春、結婚を機に秋田に移住しました。
2020年に農業研修所時代の仲間とともに就農し、ネギのほか、カボチャやジャガイモなどを栽培しています。
そんな田畑さんは、かつてある業界でも活躍していたんです。
それが格闘家!
6歳で空手を始め、野球やボクシングなど様々なスポーツに取り組み、22歳の時にグレイシー柔術の門下生となります。
田畑雄基さん:
「勝ちに行きたい、誰よりも強くなりたいという思いが強かった。毎日トレーニングすることも苦ではなく、自分に挑戦する前向きな環境が楽しかった」
総合格闘技で活躍するホイス=グレイシー選手の練習相手を務めるなど、格闘技に打ち込みました。
格闘家の後は飲食業に挑戦。東京で5年間、焼き鳥店を経営しました。
田畑さんは、農業にもこれまでの経験が生きていると言います。
田畑雄基さん:
「格闘技時代も同じだが、毎日同じ条件がない。その中でどういうスタンスでその日の作業を決めてやるのか。毎日毎日が決まったことではないのが農業の一番好きなところ」
田畑さんのネギ作りのこだわりは、農薬や化学肥料を使わないこと。害虫が付きやすいため、農薬を使わずにネギを栽培するのは手間がかかりますが、ネギ臭さや辛みが抑えられ、甘みが増します。
生のネギの糖度は約14度で、メロンやマンゴーの甘さに匹敵します。さらに、火を通すと糖度は40度を超えるまでに上がります。
ネギをフライパンで焼くと甘みが強くなり、辛いのが苦手な子どもでも食べやすい味になります。食感は、外側はシャキシャキ、中はとろっとしています。
田畑さんが生産したネギは、東京の料理店からも「こんなに甘くて柔らかいネギは全国をまわっても無い」と言われるほど高い評価を受けています。
そんな田畑さんが目指す今後は…。
田畑雄基さん:
「野菜ソムリエ協会の品評会で、自分のネギがどれくらいおいしいのか評価をもらうのが今季の目標。受賞まで行けるなら、ネギの自社ブランド化を目標に掲げている」
格闘家から農家への異例の転身。どんなことにも飛び込んでいく田畑さんの挑戦は、これからも続きます。
11月21日(金)18:00