秋田県内の小中学校で夏休みが始まりますが、夏休みの期間、学校の給食がなくなることで新たな問題も出てきます。給食がなくなり、家庭での食事の機会が増えることが、子供を抱える貧困世帯などに大きな負担になっているケースがあります。
物価高の影響で、支援に務める団体への食材の寄付も減っていて、難しい局面を迎えています。
秋田市土崎にある「フードバンクあきた」は、生活に困窮する家庭や子ども食堂に向けて、個人や企業から寄付されたコメやレトルト食品などを無償で提供しています。
給食がなくなる夏休みの期間は、家庭での食事の回数が増えることから、例年依頼される支援内容も変化します。
フードバンクあきた・林多実代表理事:
「夏休みに依頼が来る場合は、給食がなくなるので『コメが欲しい』とか、『昼に子供が簡単に食べられるものを入れてほしい』というような依頼が入る」
こうした支援へのニーズが高まる一方で、施設の棚では異変が起こっています。
フードバンクあきた・林多実代表理事:
「先週、久しぶりにボランティアに来た人に『物がなくなった』と驚かれたように、今は棚の物が少なくなっている」
需要の高まるこの時期、本来なら満杯になっているはずの棚に食材がありません。
フードバンクあきたは、家庭で余った食材を集める回収用の箱を県内約30カ所に設置していますが、物価高の影響で寄付が減っています。
団体は活動への理解を広げるため、見学に訪れた人たちに食材を置いている棚を見せながら、「この棚は1年ぐらい前はびっしり物があった。今はこの箱もすかすかになっている。以前は棚の上までびっしりあった。回収して集まるものが減ってきている。それは世界情勢の影響を受けているということ」と説明し、苦しい現状を伝えています。
施設を見学した生徒:
「世界の戦争などをなくして、本当に困っている人を助けてあげたいと思った」
長引く物価の高騰が、食料支援の現場に暗い影を落としています。
フードバンクあきた・林多実代表理事:
「家の中に黙って置いているとごみになってしまうような食品を頂けることによって、困っている人、あるいは『助かった』という声につながっているので、カップ麺1つ、缶詰1つからできる社会活動なので、ぜひ気楽に参加してほしい」
こうした食材不足の波は、子供たちに直接食事を提供する場所にも押し寄せています。
秋田市広面にある「みんなのテーブル」は、男子プロバスケットボール・Bプレミアの秋田ノーザンハピネッツが運営している子ども食堂です。
施設では、中学生以下の子供を対象に週に4回、食事を無料で振る舞っています。
プロスポーツチームならではの発信力とノウハウを生かして活動を続けていますが、プロの運営をもってしても事業の継続は一筋縄ではいきません。
秋田ノーザンハピネッツ事業企画本部・小原諒平さん:
「5年間子ども食堂の取り組みをしている中で、最初より食材費や水道光熱費など物価が上がっているところの影響はないと言いきれない状況。ただ、たくさんの企業や個人の支援を頂いているので、運営は持続的にできている」
スポンサー企業から提供される食材により、運営は続けられているものの、活動を圧迫しているのが光熱費や人件費の相次ぐ値上げです。
子供たちに「おなかいっぱい食べてほしい」という思いはあるものの、経費は膨らむ一方で、負担が重くのしかかります。
秋田ノーザンハピネッツ・小原諒平さん:
「食事は体づくりに本当に大事なことだと思っている。食べることは大事なので、全ての子供たちに気軽に立ち寄ってほしい」
給食のない夏休み。子供たちの栄養バランスや、1人で食事をとる“孤食”を防ぐためにも支援する団体の存在は不可欠です。
子供たちの健やかな成長を社会全体でどのように守っていくか。関心を持ち、具体的な行動を起こすことが求められています。
07月17日(金)18:30