秋田市の秋田港とJR秋田駅を結ぶ「秋田港クルーズ列車」は、クルーズ船の乗客にとって観光のスタート地点ともいえる存在で、2017年度に運行が始まりました。
しかし区間の一部は、線路を所有するJR貨物が2025年度で廃線とすることを決めました。
運行継続には多額の費用がかかることから、秋田県はクルーズ列車を2026年3月で廃止する考えを示していますが、県には継続を望む声が多く寄せられています。
こうした中、普段はクルーズ船の乗客しか乗ることができない列車の体験会が開かれ、全国から訪れたファンが特別な時間を楽しみました。
27日に行われた秋田港クルーズ列車の乗車体験会。乗客には、JR東日本秋田支社の職員から「特別な乗車チケット」が配布されました。
立川愛梨アナウンサー:
「クルーズ列車には、平日にもかかわらず多くの人が乗り込んでいます。私も特別乗車体験を楽しみたいと思います」
列車は午前9時39分、JR秋田駅を出発。駅員に見送られながら、終点・秋田港駅までの約15分間の旅がスタートしました。
列車の中は、県の内外から訪れた約90人の乗客で満席です。
出発から5分後、JR土崎駅を過ぎると列車は特別な路線を走ります。
車内アナウンス:
「普段はクルーズ船ご利用のお客さましか見ることができない、港町ならではの特別な景色をどうぞごゆっくりお楽しみください」
特別な車内アナウンスが乗客の気分を盛り上げます。
そして、いよいよ秋田港駅に到着。この駅は、普段はクルーズ船の乗客しか利用できないということです。
参加者は、普段は見られない列車や車窓の風景を、熱心にカメラに収めていました。
名古屋から訪れた人:
「乗車時間が短いがとても良い。たまにはこういうイベントがあってもいい。でもクルーズ列車がなくなってしまうから、ラストチャンスと思って来た」
千葉から訪れた子供:
「クルーズ列車は楽しかった。景色が結構見えた」
東京から訪れた人:
「普段なかなか乗ることがない路線なので新鮮な景色だった。この列車を動かすために職員の方々が沿線にいたので、感謝しながら乗った」
東日本旅客鉄道株式会社の小助川晃チーフは「これからも鉄道を使った様々なイベントを通じて、秋田に来るきっかけとなるような企画を考えていきたい」と話していました。
10月28日(火)18:30