秋田県内は記録的な大雨に襲われ10の河川が氾濫するなどの被害が出ました。秋田市と五城目町、仙北市に出されていた緊急安全確保は3日朝に解除されましたが、住民が片付け作業に追われているとともに農地にも深刻な被害が出ています。
24時間に降った雨の量は最大で、北秋田市比立内で236.5ミリ、大館市で205ミリ、能代市で181.5ミリなど5つの観測地点で観測史上最大となりました。また、秋田市や能代市などの10の河川が氾濫しました。
能代市を流れる米代川の周辺では、家の周りに本来田んぼが広がっていますが、川から水があふれて辺り一面が水に覆われています。
能代市では住宅の床上浸水4棟、床下浸水13棟の被害が確認されています。
一方、内川川が氾濫した五城目町は。
飛世直樹アナウンサー:
「2日に氾濫した内川川の水位は、2日と比べればかなり下がっています。ただ氾濫の影響か、木々が橋に挟まり、歩道に敷いてあった石は剥がれています」
仙北市、秋田市とともに内川・富津内地区に発令されていた5段階の警戒レベルで最も高いレベル5の「緊急安全確保」は3日朝、解除されましたが、大雨から一夜明け、住民は押し寄せた泥を洗い流すなどの片付け作業に追われていました。
五城目町では3日午後1時までに、住宅の床上・床下浸水が合わせて28棟に上っています。毎年のように地域を襲う大雨に、住民は不安を口にしていました。
内川地区の住民:
「何ともならない。これから河川改修工事でバイパスができればよくなるかもしれないが、できるまで大雨が何回来るか分からない」
農地にも深刻な被害をもたらし、収穫間近の作物に影を落とします。
あきたこまちを生産する農家・小玉勝蔵さん(89)の田んぼは、富津内川があふれて水につかりました。
小玉さんは稲に絡んだ流木などを取り除き、横倒しになった稲を起こしていました。9月中旬に刈り取る予定ですが、被害の大きさによっては収量は落ち込むのではと肩を落とします。
小玉勝蔵さん:
「2023年の大雨被害の時もこのくらいやられた。なんともならない。今までやってきて刈り取りだという時期にやられることに本当に心が痛む。農家にしてみれば、ばくちのようなもの。天候相手だから。良いときは良いが、いくらやってもできない場合もある」
県内は大雨の心配はなくなりましたが、これまでの雨で地盤が緩んでいるところがあるため、引き続き土砂災害や河川の増水に注意が必要です。
09月03日(水)19:00