管理栄養士の仕事に区切りをつけ、焼き菓子やかき氷などを販売するキッチンカーの営業に乗り出した女性が秋田市にいます。おいしいおやつを届けるだけでなく、自らイベントを企画して地域を盛り上げようと旺盛な行動力を発揮している女性を紹介します。
◆管理栄養士からキッチンカーでの営業へ
炎天下の秋田市で、行列ができているキッチンカー。客のお目当てはひんやり甘~いかき氷です。
キッチンカーを運営しているのは、秋田市の洋菓子店「ラトリエグーテ」の浅野美沙子(43)さんです。
キッチンカーでは、自家製いちごシロップを使ったかき氷や焼き菓子などを販売していて、美沙子さんの笑顔と親しみやすい会話で客足が途切れません。
訪れた客は「ふわふわしていて口溶けがすごくやわらかい」「店の名前は聞いたことがあるがまだ行ったことがなくて、機会があったら行ってみたい」と話します。
管理栄養士として病院で働いていた美沙子さんがキッチンカーを始めたのは、約3年前。夫の俊さんがオーナーを務める店の手伝いをしたことがきっかけでした。
ラトリエグーテ・浅野美沙子さん:
「客とのふれあいが楽しいと思うようになり、管理栄養士の仕事に区切りをつけて、そこから新しいことを始めたいなと思った。それならば客の元に出向くキッチンカーをやりたいということで、夫も賛同してくれたのでそちらの活動をしている」
思い立ったらまっしぐら。18年間続けた管理栄養士の仕事を辞め、美沙子さんは「走るラトリエグーテ」と名付けたキッチンカーで県内を駆け回るようになりました。
ラトリエグーテ・浅野美沙子さん:
「遠くて行けないことが多いので『来てくれてありがたい』と言われることがうれしい。やっていくにつれて知名度が広がってきているのが実感できることもうれしい」
◆持ち前の行動力発揮!イベントも企画
店名の「ラトリエグーテ」とは、フランス語で「おやつ工房」という意味。その名の通り、美沙子さんはたくさんの人におやつを楽しんでほしいと、焼き菓子を中心に企業や施設への訪問販売にも力を入れています。
ラトリエグーテ・浅野美沙子さん:
「『今近くにいるので、こういうわけで販売してもいいですか』と言って。30件くらい電話して1件くらいOKの時もあれば、すぐに快く『来てください、来てください』という時もある」
キッチンカーを始めた当初は、月に4日ほどしか活動できていませんでしたが、今では月の半分以上スケジュールが埋まっています。パワフルな美沙子さんを、夫の俊さんは静かに見守ります。
ラトリエグーテ オーナー・浅野俊さん:
「本人がやりたいようにやってほしいので、それを応援するだけ。元々行動力がある人なので、いずれ軌道に乗るだろうなと思っていたが、その通りに見事的中した感じ」
美沙子さんのあふれる行動力はこんなところにも。
ラトリエグーテ・浅野美沙子さん:
「子どもと一緒に楽しめるイベントを企画できたらと、地元の河辺を盛り上げるイベントを企画した」
美沙子さんは地元の秋田市河辺でまつりを開催していて、子ども縁日や様々なキッチンカーなどで、訪れた人を楽しませています。まつりの日は、実行委員長として忙しい美沙子さんに代わって、夫の俊さんがキッチンカーを担当し、夫婦二人三脚でイベントを盛り上げています。
ラトリエグーテ・浅野美沙子さん:
「私は本当にせっかちなので、すぐやりたくなってすぐ行動に移してしまうタイプなので、これからも地域のイベントをつくっていきたいと思っている。企画を練っている段階だが新しいイベントも企画している」
キッチンカーとともに地域に“おいしい”と“笑顔”を届ける美沙子さんの活動は、これからも続きます。
07月25日(金)20:00