秋田市の海浜公園で風力発電の風車のブレードが落下した事故を検証する国の審議会が18日開かれ、ブレードの一部が風車から約250メートル離れた場所まで飛んでいたことが分かりました。

この事故は、5月2日に秋田市新屋町の新屋海浜公園で、さくら風力が設置したエネルコン社製の陸上風車からブレードが落下したものです。近くでは当時81歳の男性が倒れているのが見つかり、その後死亡しましたが、警察はブレードが当たった可能性もあるとみて事故との因果関係を調べています。

18日、事故後初めて経済産業省の審議会が開かれ、初めにさくら風力の盛高健太郎社長が謝罪しました。そして、親会社の新エネルギー技術研究所の担当者が、風車から約250メートル離れた場所にブレードの一部が飛んでいたことを明らかにしました。

また、事故が起こる5年前の2020年7月に、風車メーカーのエネルコンが、ブレードに雷が落ちた際に受け止めて地上に流す部品「中間レセプタ」を取り外していたことが新たに分かりました。その部分には焦げた跡が見つかったものの、跡が付いた時期や事故との因果関係は分かっていません。

委員から「なぜ中間レセプタを外したのか」と問われると、メンテナンスの担当者は「分からない。外した背景を探りたい」と述べました。また、新エネルギー技術研究所の担当者は「事故が起こるとは想定していなかった。風車の設置場所を議論しなければならない」と答えました。

事故が発生した5月2日は落雷はなく、強風注意報は出されていたものの、極端に強い風は観測されていません。

06月18日(水)19:00