秋田県内で新米の本格的な販売が始まりました。一方で、店頭では新米が前年のコメより安い逆転現象が起きています。
消費者にとっては新米を手頃な価格で購入できるのはうれしいニュースですが、コメ余りと農家がいかに営農を継続するかは大きな課題です。
JA全農あきたが示した2026年のあきたこまちの概算金は、1等米60キロ当たり1万8300円で、2025年より1万円減りました。
農林水産省によりますと、全国の民間の集荷業者のコメの在庫は、2026年8月末時点で150万トンでした。前年の同じ時期より66万トン多くなっています。
2025年産のコメが倉庫に多く残っている状態で新米の季節を迎えました。
県内の生産者が、集荷業者から「買い値が付けられないので、JAに出荷してほしい」と打診されたケースもあるといいます。
こうした中、横手市に本店を置くJA秋田ふるさとは、出荷契約の延長を決断しました。「コメが余るならJAに持ってきて」と呼びかける組合長に、決断の背景を聞きました。
JA秋田ふるさと・小田嶋契組合長:
「コメの価格は民間在庫で決まると言われている。コメの価格が相当混乱するであろうということは予測されていた」
コメを巡っては、2024年の夏から在庫不足と価格高騰が叫ばれ、政府が備蓄米を放出するなど対応に追われました。
2025年は、コメの在庫を確保しようと集荷業者が収穫前から生産者を訪ね、買い付けに奔走するケースも見られました。
ところが、2026年の新米を前にした時期の在庫は、過剰と言える状態でした。
JA秋田ふるさと・小田嶋契組合長:
「『ことしはどうも買う気がない』『集める気がない』という話は、よく農家の方から聞いた」
集荷業者は2026年の買い取り価格を大きく引き下げるなど対応を迫られ、ある業者は「このままの価格であればコメ作りをやめてしまう農家も出てくるのでは」と話していました。
コメ作りは、収穫・出荷するまでに、肥料や土地改良などを含め多額の費用かかかると言われています。さらに10~11月は、農業用の機械のローンや維持費などの支払いが重なります。
生産者にとって概算金は、経営を支える重要な資金ですが、消費者と生産者、どちらも納得できる価格を導き出すのは難しいのが現状です。
JA秋田ふるさと・小田嶋契組合長:
「概算金で一喜一憂しなければいけないこと自体が、コメ業界の非常に大きな問題。国が需給の安定に関わっておきながらこれだけ価格が変動するのは、何かがおかしいと思わなければいけない」
横手市などを管轄するJA秋田ふるさとは、コメの買い手が見つからない生産者の収入が安定するよう、5月末で打ち切った新米の出荷契約を7月末まで延長しました。
新たに契約したり量を増やしたりすることを認めた結果、JAに入るコメは約600トン増加する見通しです。
JA秋田ふるさと・小田嶋契組合長:
「不毛な集荷競争に巻き込まれるのではなく、生産者に対して安定した売り先、出荷先として、しっかりとした存在感を見せなければいけないと私は思う。売り先をなくしてしまった人たちに対して、寛容な心を持って接する必要がわれわれにはある。それが協同組合の原点」
10月14日(水)19:00