物価高騰に歯止めがかかりません。民間の信用調査会社・帝国データバンクの調査によりますと、8月に値上げが見込まれる飲食料品は2311品目で、前年の同じ月に比べ8割以上増加しています。9月は2026年で最も多い4531品目に上る見通しです。
背景にあるのは中東情勢の悪化による原油やナフサの高騰で、資材価格や物流コストの上昇が値上げを加速させています。
値上げラッシュが続く中、秋田県内の自治体は、国の交付金を活用して消費者支援策を打ち出しています。
事業は「現金やポイントの給付」「プレミアム商品券の販売」「商品券などの配布」の大きく3つに分けられます。
例えば、大仙市と藤里町は、住民に1人当たり1万円を現金で給付しました。横手市と由利本荘市は、1万円分を5000円で購入できるプレミアム商品券を販売しました。八郎潟町・井川町・美郷町・東成瀬村は1人当たり2万5000円分の商品券を、秋田市は1人当たり3000円分のギフトカードを支給しました。
秋田市が支給したのは、バニラVisaギフトカードです。
支給対象は、2026年2月20日時点で市の住民基本台帳に登録されている約29万人で、人数分をチャージした上で1世帯に1枚、世帯主宛てに送られています。
国内外のVisa加盟店やインターネットショップでクレジットカードと同じように利用できます。
5月下旬から6月下旬にかけて発送されました。この期間に受け取れなかった人には再発送しています。
有効期限は2026年10月31日までです。
店頭で残高を確認することはできず、カード裏面のQRコードを読み取ることで、あといくら使えるかが分かります。
利用期限が残すところ2カ月余りとなったこのギフトカード。どう使ったのか、使い勝手はどうか、市民の本音を聞きました。
30代・会社員:
「カードは届いた。もう使った。ドラッグストアで日用品を買った。使えない店も多くて限定されるという印象。子供のおむつなどを日常的に使うのでドラッグストアで使えるのはありがたかった」
60代・会計年度任用職員:
「食料品や日用品に使った。あっという間になくなった。もらった分はありがたいと思ったが、金額的にはあっという間になくなるので、長期的に生活を支えてくれるような施策があった方がいいと思う」
80代・主婦:
「店の人がレジで『ん?』という感じだったが、説明したら会計をやってくれた。これだって事務手続きにお金がかかる。だったら直に現金を、と思っている。周りの人もそう言っている」
30代・会社員:
「なかなか欲しいものがなくて使えていない状態。全部使い切るのが難しいという印象を持っている」
ライブニュースあきたでは、秋田テレビの公式アプリでギフトカードの支給についてアンケート調査を実施し、324人の秋田市民から回答を得ました。
それによりますと、今回の事業の評価を聞いた質問では、「悪い」「どちらかといえば悪い」と答えた人が約7割に上りました。
アンケートに回答した市民からは、「家計の助けになった」「物価高の中でありがたい」など支給を歓迎する声が聞かれた一方、「一部の店で現金との併用ができない」「残高が分かりにくい」といったカードの使い勝手に対する不満の声が多く寄せられました。
特に「高齢者には利用が難しい」との指摘や「現金や商品券の給付の方がよかった」「マイナンバーに登録した口座への現金振り込みが望ましかった」などの意見が目立ちました。
市民の率直な声を市の担当者に聞いてもらいました。
秋田市生活総務課・大渕純子課長:
「思ったよりも『クレジットカードは普段使わない』『レジでまごついてしまう』という意見を直接もらうことが多かったので、今回と似たような支援事業があった場合には参考にしたい」
そもそも、なぜ物価高騰支援にバニラVisaカードを選んだのかを問うと、大渕課長からは「市民に口座の申請など負担をかけないことが一点目に挙げられる」との回答がありました。
加えて、使用期限が設定でき、速やかな消費につながることや、利用できる店舗が多いことも採用の理由です。
一方、市民からは「経費がかかりすぎているのではないか」という声がありました。
ギフトカード支給の事業費には国の交付金を活用し、11億3000万円余りが充てられています。
対象となる市民約29万人への支給額は8億7000万円余り。カード会社への委託料や発送などの事務費に2億5000万円ほどかかっています。
市は、現金給付とコストを比較した結果、ギフトカードを選んだとしています。
秋田市生活総務課・大渕純子課長:
「現金支給よりも1000万円程度、事務費がかからないという試算結果が出たので、その点も大きかった」
事業を巡っては様々な意見が寄せられていますが、市は「カードを役立ててほしい」と話します。
大渕純子課長:
「まだ受け取っていない人がいるので、生活総務課やコールセンターに『受け取っていない』ということを問い合わせてほしい。使い方の案内もコールセンターでしている。気軽に問い合わせてほしい。ぜひ使い切ってもらいたい」
この他にもアンケートで寄せられた意見について聞いてみました。
「使い切れなかった残高はどうなるか」という疑問については、カード会社から市に残高が戻され、それを国に返還するということです。
また、現金との併用ができる店舗は、市が設置したコールセンターに問い合わせるか、ホームページを確認してほしいとしています。
物価高対策としてどれくらいの効果があったかは今後の検証が待たれますが、支援を無駄にしないよう期限内に賢く使い切りたいところです。
08月25日(火)18:00