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秋の観光地、クマ出没で日本人観光客が減少 現状を越年させないクマ対策望む観光関係者 秋田・仙北市

2025年も残りわずかですが、1年を振り返ると秋田県民の生活に大きな影響を及ぼしたものの一つが「クマの出没」ではないでしょうか。特に生活圏での被害が目立った秋は観光地で異変が起きていました。

県内有数の観光地、仙北市角館町は例年、桜の時期はもちろん、紅葉が見頃を迎える秋も街がにぎわいをみせる季節です。ところが2025年は、国内からの観光客が大きく落ち込みました。原因の一つは“クマの存在”です。

仙北市と観光協会は、市内の149事業者を対象にアンケートを行いました。ことしの紅葉シーズンの売り上げや客の入りを問うものです。

それによりますと、宿泊業と飲食業の約4割が「売り上げが減少した」と答えました。土産店などの小売業では約8割に上っています。

観光業の落ち込みには、少なからずクマの存在が影響しているようです。

土産店:
「『クマ出没』と看板が出ると、お客さんが『クマ出るの?』と足早に帰ってしまう」

飲食店:
「観光客は全員鈴を付けていた。『ここでもクマ出ましたか?』とか『これから秋田市に泊まるのだけれど大丈夫?』と聞かれた」

武家屋敷通り沿いの店舗は、「日本人観光客が減った」「ツアー客は自由時間を持たずに常に団体行動している。店の中に入ってこなくなった」などと口にします。

田沢湖・角館観光協会 安藤大輔会長:
「全国ニュースで武家屋敷の近くで緊急銃猟が行われたと伝わったり、岩手の北上で露天風呂で亡くなった人がいたりしたこともあり、そのあたりから観光客が少なくなったというイメージ」

10月、武家屋敷通り近くの住宅敷地にクマ2頭がとどまり、緊急銃猟によって駆除されたほか、周辺でクマが相次いで目撃されました。市や観光協会は、注意を促す看板を設置したり、観光客に直接呼びかけたりしました。

この事態を受け、事業者の売り上げと比例するように10月の1カ月間に仙北市を訪れた観光客は前年の同じ時期の75%に減少。書き入れ時に32万7931人にとどまりました。

今後の課題は、1年で一番の誘客が見込める春を安全に迎えることです。

田沢湖・角館観光協会 安藤大輔会長:
「観光地にクマが押し寄せる状況を、なんとしても回避・改善してもらいたい。日本人観光客の減少が、この時期だけでとどまっていれば良いが、風評被害という形で来年以降に持ち越さないように、クマ対策に取り組んでもらえるようにお願いしたい」

武家屋敷通り沿いの店舗では、柿の木を伐採するなど対策が行われているということです。観光と客の安全をどう両立させるかがこれからの鍵になりそうです。

12月11日(木)20:00

 
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