前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、秋田県内は大雨となりました。仙北市では、市内を流れる「桧木内川」が氾濫したとして、西木町上桧木内の185世帯378人に「緊急安全確保」が発令されています。
20日午前10時半ごろの仙北市西木町を流れる桧木内川は、氾濫し電柱の根本まで増水しました。西木町上桧木内では、20日午前8時40分、185世帯378人に5段階の警戒レベルで最も高い「レベル5」の「緊急安全確保」が発令されました。
県内では、全域で大気の状態が不安定になり各地で大雨となっています。
石川萌恵子アナウンサー:
「仙北市西木町の上桧木内地区です。この地区を流れる桧木内川が氾濫し、道路が冠水しています。そして、近くの広場も水で覆われています」
桧木内では、20日午前8時50分までの12時間に、8月の観測史上最大となる206.5ミリの雨が降りました。上桧木内地区では、川からあふれた水で流された軽トラックなどがいたるところに見られます。国道105号は冠水し、川から流れてきたのか木が道路を塞ぎ、午後3時現在で12世帯26人が孤立状態になりました。全員と連絡はとれているということです。
上桧木内地区の住民は「桧木内川の河川改修の後も氾濫してしまったから、想像を絶するような初めての災害ですね」と驚いていました。
また、市の施設「紙風船館」も1メートルほど浸水し、職員などが泥のかき出し作業に追われていました。このほか、上桧木内地区の住宅4棟で床上浸水が確認されました。
市は、桧木内小学校など2カ所で避難所を開設しました。避難した女性は「家は大丈夫だったが、孫たちが『避難するように』と何度も言うから避難した。ここの地区に住んで60年もなるが、こんなに降ったのは初めて」と話していました。
今後の見通しについて、秋田地方気象台の石井浩治観測予報管理官は「1時間に50ミリの非常に激しい期間に入っている。これが21日午前3時ごろまで続く。前線が南下していくのが、20日夜になるので、夜の時間帯が要注意」と厳重に警戒するよう呼びかけました。
21日午後6時までの24時間に予想される雨量は、多いところで180ミリと予想されています。また、この後、夜遅くから21日未明にかけ線状降水帯が発生する可能性もあり、雨の量は局地的に増える恐れがあります。気象台は、土砂災害や河川の増水・氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けています。
県は20日、仙北市に災害救助法を適用しました。また、県北部でもまとまった雨が降り、鹿角市でも住宅1棟の床上浸水が確認されています。
08月20日(水)18:00