秋田県東成瀬村に2027年度完成する予定の成瀬ダムは、村の新たな観光資源として期待されています。8月には毎年恒例の『成瀬ダムまつり』が行われることになっていますが、県内の学生たちがこの祭りを盛り上げようと取り組みを進めています。
国が総事業費約2600億円をかけて整備を進める成瀬ダム。洪水の防止や農業用水・飲み水の確保、発電など様々な役割が期待されています。
ダムの本体、堤体はすでに完成していて、ダム全体の工事も7月時点で94%終わるなど、2027年度の完成に向けて順調に進んでいます。
毎年8月には、ダムの周知を進めるとともに地域の活性化を図ろうと『成瀬ダムまつり』が行われていて、2025年は約3000人が来場するなど、多くの人でにぎわいます。
2026年は、秋田市の秋田大学と聖霊女子短期大学の学生たちがまつりに協力し、若い力でイベントを盛り上げようと奮闘しています。
7月18日にダムを訪れたのは、秋田大学で地域の課題や活性化について学ぶ1年生12人です。まつりを盛り上げるために、まずはダムや地域について学びました。
ダムを初めて見るという学生も多く、その大きさに驚いていました。
学生:
「大きさがとても印象に残る。造るのに色々な技術が使われていると思った」
ダムの役割を学んだ学生たちは、まつりでどのように東成瀬村を売り込んでいくかを考えます。
その中で学生たちが売り込もうとしているのは、村特産のトマトを使ったハヤシライスで、その中身やパッケージを地域の住民と考えます。
調理に当たる民宿「お山の大将」の女将・高谷聡子さんが作った3種類のソースを食べ比べ、どの味で商品化するか議論しました。
1つはパウチ式で国産牛を使ったもの。もう1つは、同じパウチ式でトマトの量を増やしたもの。もう1つが鍋で調理をしたもので、外国産の牛肉を使い、トマトの量を少なくしています。
試食した学生たちからは、「おいしい」「肉は鍋で調理したものがいい。トマトで売り出したいから、トマト味を出すとしたら倍のやつ」といった意見が出ました。
また「パウチにすると、肉が溶けてしまう」という声に対して、高谷さんが「輸入牛ならそんなになくならない」と答えると、学生は「本当ですか?だったら、トマトが倍の輸入牛を使ったものができたら完璧」と提案しました。
結局学生たちは、特産のトマトの量を多くした上で、コストを抑えるために外国産の牛肉を使用したソースをパウチにすることにしました。
お山の大将・高谷聡子さん:
「トマトを売りにしたいが、どこまで入れればいいか、私にはちょっと決められなかった。子供たちの意見を聞いて、味の調整をしていきたい」
続いては、商品のパッケージを考えます。
地域の人たちへの取材を基に、学生たちがPRしたいポイントとして挙げたのは、寒暖差の大きい環境で育つことで生まれるトマトの“甘さ”や“無添加で作られる品質の良さ”です。
学生たちはこうしたポイントを生成AIに読み込ませ、商品の画像を作成しました。
そして「手紙風が良いと言われたので、手紙風にした」「結構大きめにグルテンフリーと文字を入れて、裏面にはQRコードやトマトの紹介を入れた」と、それぞれのパッケージデザインを紹介し合いました。
学生たちが作った商品パッケージは、まつり当日に発表されることになっていて、学生たち自らの手で売り出します。
男子学生:
「ハヤシライスに込めた思いや、会話の中で生まれるダムの話を、しっかりきょう学んだことを生かして伝えていきたい」
女子学生:
「地域の特徴を知り、地域をアピールしていくことを今後やっていく上で、東成瀬村のパッケージデザインを考えた経験を生かして、これからも頑張っていきたい」
8月23日に行われる『成瀬ダムまつり』。学生たちの若い力と発想を取り入れて行うイベントで、成瀬ダムの観光資源としての価値や地域の新たな魅力の発見ができるかもしれません。
07月24日(金)20:00