秋田県内の各市町村の輝く人や次世代に向けた取り組みを紹介します。今回は北秋田市で手作りのキャンドルと見た目が楽しいあるお菓子を販売している女性です。
北秋田市花園町に2024年8月にオープンした「花咲菓家」。店内をのぞいてみると色鮮やかな花や動物が並んでいます。これらは手作りのキャンドルで火を灯して楽しむだけでなく、その可愛らしい見た目からオブジェとして購入する人も多いということです。
店を営むのは小谷いるひさんです。小谷さんは韓国・釜山の出身で、結婚を機に日本に移住し、2017年に夫の転勤先である北秋田市にやってきました。
小谷いるひさん:
「秋田の方が私にとっては、すごい住みやすい。海の幸も山の幸もおいしくて、すごくいいところなので魅力的。ただ冬の雪は大変です(笑)」
小谷さんが作るキャンドルは、ろうを花びらのように絞る技法を使っていて小谷さんのふるさと・韓国はこうしたキャンドルの発祥といわれています。
小谷さんも韓国でキャンドル作りの資格を取得し、以前住んでいた長野や北秋田市に来てからもキャンドルを販売したりワークショップを開いたりしてきました。
ただ2024年にオープンした店は手作りキャンドルの専門店というわけではありません。
小谷さん:
「あんこでも花を絞ってみたくて練習してみたら、かわいいお花ができたので、それを教室に来られた生徒さんにお出ししたらすごくおいしい、珍しいって言われ、販売してほしいという声をたくさんもらったので、おはぎを販売してみたいと思った」
キャンドルのほかに小谷さんが手作りしているのは、なんと“おはぎ”です。
キャンドルのろうを絞る手法を生かし、食用の色素で色を付けた白あんを花の形に仕上げます。その花々をカップに入った“おはぎ”に飾り付ければ、まるで花畑のような華やかな“おはぎ”の完成です。
材料にもこだわり、おはぎには県産のあきたこまちともち米を使用しています。また白あんには国産のインゲン豆を多めに使って甘さを控えめにしています。
小谷さん:
「洋菓子も和菓子も好きなんですけど白い砂糖を食べると、すごい肌が荒れる体質で、前から自分で砂糖の代替品を入れて甘さ控えめのものを作って食べていたので、同じような方たちも安心して召し上がってもらえる材料で作ったおはぎを提供したい気持ちもありました」
趣味で続けていたお菓子作りですが、小谷さんはいざ販売するとなると不安も大きかったと話しますが意外な発見もあったといいます。
小谷さん:
「お供えの時しか使わないイメージだったんですけど、お祝い事でオーダーをもらうことが多くて、例えば和菓子が好きな方の誕生日ケーキの代わりとか」
店から離れた場所に住む人にも楽しんでもらいたいと冷凍おはぎの販売も始めました。口コミやSNSの効果で県外からの注文もあり、特に関東圏が多いということです。
小谷さん:
「和菓子が好きな方も洋菓子が好きな方も来られる店にしたいので洋菓子もいろいろレシピ試して、開発していきたいと思っている」
彩り豊かなキャンドルと“おはぎ”でほっとできる暖かい時間を…
多くの人に笑顔を届けようと小谷さんの挑戦はこれからも続きます。
05月23日(金)19:00