秋田県内では連日クマの出没が相次いでいますが、18日には2025年に入って初めての人身被害が出てしまいました。18日、秋田県と岩手県ににまたがる八幡平に登山に出かけた能代市の40代の男性がクマに襲われ、顔や左足にけがをしました。クマはこうした山にとどまらず、県内のさまざまな場所に出没するようになっています。
竹島知郁アナウンサー:
「雄物川沿いにある秋田市茨島の市道です。5月14日、この交通量の多い場所でクマが目撃されました。目の前には住宅街。今、人の多い市街地でのクマの目撃が相次いでいます」
2025年に入り、県内ではこれまでに見られなかったような場所でクマが目撃されるようになっています。車通りの多い住宅街や、5月16日には子どもたちが通う中学校の校門の前を歩いているクマが目撃されました。目撃された場所の近くに住む住民も不安を募らせています。
住民:
「『なんでここに』という感じ。家から出るときは、一呼吸おいて慎重に出るようにしている」
住民:
「まさかこの辺りでクマが出るとは思わなかった。クマのことを考えないように歩くのは難しくなってきた」
確実に人の生活圏に近づいてきているクマ。被害を食い止めるための対策が求められています。
市街地での出没が増えているのはデータからも分かります。秋田県の情報マップシステム「クマダス」で県中央部と県南部を見てみますと、市街地にマークが集中しています。特にマークが集中しているのが秋田市です。
秋田市のクマの目撃は、2024年は44件でしたが、2025年は倍以上の98件にまで増えていて(いずれも5月18日時点)、対策が急務となっています。
これから夏にかけて市街地へのクマの出没がさらに増える恐れがあります。クマがいる山の中は、春は山菜、秋は木の実など餌が比較的多くあるのに対し、夏は餌が少なくなるといいます。そのためクマが人里に下りて食べ物を探しにくる可能性も高くなるため、私たち一人一人ができる対策を講じることが重要です。
まず秋田県の情報マップ・クマダスを見て、自宅や職場などの近くにクマの出没がないか確認して危険度を把握しておくことが重要です。
そして、クマが入りこむ可能性がある車庫や物置の扉は普段から閉めておくこと。さらに、生ごみや空き缶、米ぬかなど餌となるものは屋外に放置しないことも極めて重要になります。
クマは想像よりも私たちの身近にいます。山に入る際はもちろんですが、市街地でもクマへの備えを進めていく必要があります。
05月19日(月)19:00