地球温暖化を抑える鍵となるかもしれない「森林クレジット」をご存じでしょうか。植林や間伐などで整備された森林が吸収する二酸化炭素の量を国が「クレジット」として認証し、整備した自治体などが販売できるようにする制度です。
このクレジットを企業が購入することで、事業を進める中で排出される二酸化炭素を相殺し、実質ゼロにすることができます。
国は2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」を目指していて、「森林クレジット」はこれを実現する手段の一つとして注目されています。
秋田県内の自治体・団体の「森林クレジット」の販売を秋田銀行が支援することになり、このほど協定が結ばれました。
締結式には、横手市の高橋大市長、上小阿仁村の小林悦次村長、県林業公社の齊藤正喜理事長、秋田銀行の芦田晃輔頭取が出席し、協定書に署名を交わしました。
横手市と上小阿仁村、それに県林業公社では、販売可能な森林クレジットを現在、合計約1万9000トン保有しています。
今回協定を結んだことで、秋田銀行がこれまで培ったネットワークを活用してニーズを探り、森林クレジットを購入したい県内企業とのマッチングを図ることで販売を支援します。
森林クレジットの販売で出た収益は、山林の整備などの活動に役立てられるということです。
秋田銀行・芦田晃輔頭取:
「森林クレジットの販売支援を入り口に、地域の脱炭素化と森林資源の保全・造林・再生を含めた取り組みも回していくことで、秋田県の基幹産業の一つである林業の底上げにもつなげていきたい」
秋田銀行では、5月1日から森林クレジットの販売支援をスタートしていて、県内の他の自治体にも連携を広げていきたいとしています。
二酸化炭素の排出が実質ゼロになる環境に優しい取り組みというだけではなく、県内の広大な森林資源を守ることにつながるなど様々なメリットが考えられます。今後の広がりに注目です。
(※高橋大市長の「高」は「はしご高」)
05月07日(水)20:00