サッカーJ2ブラウブリッツ秋田の本拠地となる新スタジアムの整備を巡っては、秋田県・秋田市・ブラウブリッツ秋田のそれぞれが方針案や考え方を示していますが、足並みが揃っていません。
4つのポイントに絞って見ていきます。
◆まずは「事業・整備主体」です。
県は、国の交付金を最大限活用するため、整備予定地の八橋運動公園の管理者である秋田市が整備主体として設計・工事を発注し、施設を保有することが適当としています。
一方で市は、単独で事業主体にはならない。県も施設保有者となることが前提としています。
ブラウブリッツは、民設は困難。官民が連携した上で行政主体での整備を検討してほしいとしています。
◆続いて「整備費と負担の割合」です。
県は、国の交付金などを除いた額を民間・県・市で2対1対1、つまり民間が半分、残りの半分を県と市で折半するという考え方です。
市は具体的な金額などは示していませんが、ブラウブリッツに民間資金調達を実現するための行動と実績を示すことを求めています。
ブラウブリッツは、経済団体などと連携し、県・市が負担する額と同等規模の資金調達を目指す考えです。
◆「維持管理費」について
県は、公共性のある施設として幅広い利用を受け付ける観点から、県・市による負担の必要性を検討するとしています。
市は原則として、維持管理費を負担しない考えです。
ブラウブリッツは、クラブを中心とする運営会社による負担を基本としていますが、具体的には今後の3者協議で検討したいとしています。
◆最後に「施設規模」についてです。
県は収容人数5000人から1万人規模の中で検討。
市は5000人規模が目安で、かかり増しとなる費用は民間で賄うべきとの考えを示しています。
ブラウブリッツは、1万人規模のフットボール専用スタジアムが必要としています。
◇県と市の考えは一致するのか
こうした違いがある中、今後の議論のポイントの一つが「県と市の考えが一致するか」です。
秋田市の沼谷市長は、単独で事業・整備の主体や施設保有者にならないという前提について「譲る幅がない」とし、単独で主体・保有を求められている状況では「3者協議に加われない」と強調しています。
一方、県が示している方針はあくまで「案」ですから、市やクラブの意見を取り入れて変わる可能性もあります。
今後、互いの歩み寄りがあるのかが、整備が進むかどうかの鍵となります。
◇民間資金の調達は実現可能か
もう一つのポイントは「民間資金調達を実現できるか」です。
県の方針案では、国の交付金などを除いた整備費の半額以上の民間資金調達を求めています。
現在の試算に照らし合わせると、5000人規模であっても民間の負担は約43億円。この莫大な資金を、クラブが12日にスタートさせた民間資金調達のプロジェクトで集められるかが焦点です。
10年近く紆余(うよ)曲折し、ここに来てまた先行きが見通せない状況となっているスタジアム整備の議論。どのように決着するのか、注視する必要があります。
03月12日(木)19:30