5日の秋田県内は、能代市で1時間の雨量が観測史上最大を記録するなど警報級の雨となったところがありました。一方で、この雨は農家にとっては恵みとなるかもしれません。
県内のダムは梅雨の時期の雨の少なさで貯水量が大幅に減少し、農産物に影響が出始めています。特にコメは稲が穂をつける重要な時期に水が足りず、今後の生育が懸念されています。
横手市山内の相野々ダムです。この時期、ダムには約100万トンの水があるはずですが、4日時点の貯水量は46万5000トン。貯水率は13%まで落ち込んでいます。
ダムの重要な役割の一つは農業用水の確保ですが、水不足が懸念され、水田などへの供給は2日に1回。
特にコメ作りはいま、稲が穂をつける重要な時期「出穂期」を迎えていますが、相野々ダムの上流にある横手市黒川のみずほライスの田んぼを訪れると、乾燥してひびが入っているほか、稲が枯れかけています。
「からっからですね。土に水分がない。収量が期待できるかと言われるとかなりあやしい。困りましたね」と話すのは、みずほライスの熊谷賢さんです。
みずほライスは、あきたこまちなど4品種のコメを栽培しています。85ヘクタールで例年は約540キロを収穫しますが、今シーズンは落ち込む見通しです。
みずほライスは昨今の気象の変化に合わせ、高温や乾燥に強い品種を増やすなど事前の対策をしたものの、来週には相野々ダムの貯水率がゼロになる恐れがあり、いまは今週の雨予報と天候の推移を見守るしかありません。
みずほライス・熊谷賢さん:
「稲が非常に苦しんでいる状況が見えているので、1週間たっぷりと水を吸って元気なコメを育ててほしいと期待している」
稲刈りは9月中旬。生産者は、おいしいコメをたくさんの消費者に届けられるよう祈りながら努力を続けています。
なお、横手市は田んぼに水を引くポンプの購入費などを助成する支援に乗り出していて、5日までに43件の申請があるということです。
08月05日(火)15:00