12日に秋田県仙北市田沢湖玉川の山林にタケノコを採りに入った男性の行方が分からなくなっています。この場所は積極的に人を襲うクマがいるとされるエリアで、入山が禁止されています。このエリアをよく知るハンターは「山に入る人はいなくならない」と警鐘を鳴らします。
石川萌恵子アナウンサー:
「仙北市田沢湖玉川です。山間部ではここ数年、タケノコを採るために山に入り、クマに襲われる事故が複数回発生しています」
玉川温泉に続く国道沿いには規制線が張られ、駐車スペースは封鎖されています。2018年から続く入山規制です。
このエリアでは、2017年と2018年に山菜採りで山に入った2人がクマに襲われ、亡くなりました。
また、12日にタケノコ採りをしていた男性の行方が分からなくなるなど、いまだ手がかりがつかめない人もいます。
「2017年にタケノコ採りに来てクマの被害に遭った人は、ここでやられた」と話すのは、県内の猟友会で活動するハンターの男性です。
このエリアは、男性がかつてクマ撃ちや山菜採りで訪れた場所で、地形や環境をよく知っています。
山菜採りなどで行方が分からなくなった人がいると、警察や消防を先導する形で捜索に携わってきました。
ただし、ここは積極的に人を襲うクマがいるとされるエリア。捜索隊も命がけでした。
仙北市は2024年、入山禁止エリアでは地上からの捜索をしないことを決めました。
猟友会の男性:
「家族がかわいそうだと思う。猟友会も山に入れなくなったが、家族だけでなく親戚や『遭難者がここにいつも行ってタケノコを採っていた』と分かる人も山の中に入れないから」
一方で男性は、8年ほど前に捜索で山に入った時、確かにクマの異変を感じていました。
猟友会の男性:
「タケノコがない所に遭難者のリュックサックやタケノコ採りの物があった。ここにクマがいる方がおかしいと思った」
これは、クマが好むとするタケノコを採ろうとした人とクマがたまたま出合ってしまったのではなく、クマが人を認識して襲いに行った可能性を示していました。
日常的に山に入るハンターでさえ、人を狙って襲うクマもいると実感した出来事です。
今は猟友会もこのエリアに入ることが出来ませんが、男性は「市街地など里に降りてきているクマだけでなく、山にいるクマの捕獲も進めるべきだ」とした上で、「すぐそばに温泉施設があるが、クマが来ないとも限らない。そばに来てから対処するのではなく、施設に近づくクマがいるなら早めに対処した方が良いと思う」と話します。
このエリアで注意が必要なのは、クマだけではありません。
1980年代には、火山ガスによって観光客の男性が亡くなる事故が発生したほか、致死量をはるかに超える硫化水素の発生が度々確認されています。
山をよく知る人でさえ予測できない危険が多く潜む玉川エリア。それでも山に入る人は後を絶ちません。
入山禁止エリアの目の前、駐車も立ち入りもできないはずの場所に、いつも車が止まっています。タケノコを採りに来ているとみられています。
猟友会の男性:
「あとは何とも言えない。その人の気持ち次第だから。自分で何か覚悟があって入るわけだから、誰が何を言ってもやめないだろうし、家族が言ってもやめないだろう。止めようがないと思う」
自己責任では済まされない。自分の命を守れるのは、自分だけです。
06月18日(木)18:30