クマの出没や被害が相次いでいる今シーズン、市町村によるクマ対応の後方支援のため、秋田県に自衛隊が派遣されました。自衛隊による支援活動は11月30日まで行われ、県内12の市町村で合わせて924人の隊員が箱わなの運搬や設置、ドローンを活用した情報収集などに当たりました。
自衛隊の活動がどのような効果をもたらしたのか、県内で最も早く受け入れた鹿角市に成果と課題を聞きました。
秋田県内では今シーズン、クマの出没や被害が相次ぎ、対応に当たる自治体や猟友会の人手不足が課題となりました。
こうした状況を受け、県は国に自衛隊の派遣を要請。11月5日から自衛隊による支援活動が始まりました。
自衛隊の活動内容は、箱わなの運搬や設置、捕獲後のクマの搬送、それにドローンを使った情報収集などで、支援を終えた11月30日までに県内12の市町村で延べ924人が活動しました。
鹿角市は県内で最も早く支援を受け入れました。
鹿角市・笹本真司市長:
「あっという間の3週間だったが、実際に色々な協力をしてもらうことで、安心感やこの先の希望、実際に猟友会の負担軽減など、結果的に事故なども大きなものがなくできてよかった」
笹本市長は、職員や猟友会の負担を軽減できたことを成果の一つに挙げた上で、自治体が向き合うべき課題を考える機会になったと捉えています。
鹿角市・笹本真司市長:
「警察でもライフル銃の使用について具体的な検討が始まったり、クマの対策で根本的に数を減らす方向に舵が切られた意味で、様々な議論が本格的に始まったのが自衛隊派遣のもう一つの大きなポイントだと思う」
自衛隊によるクマ対応の支援活動は、今シーズン限りの予定です。
笹本市長は2026年度以降に備え、国と県、そして各市町村のそれぞれが自衛隊に頼らずに対応できる環境づくりを目指すべきだと考えています。
鹿角市・笹本真司市長:
「応急的に人を割かないといけない状況は避けるべきだと思う。現時点では、少なくともそういう状況が起こらないことが当たり前で、それをどう実現するかという方向に舵を切りたいので、この状況が何年も続いていく状況は起こらないし、起こしてはいけない」
自衛隊による支援活動は終わりましたが、これからクマとどのように向き合うのか。長期的な視点が求められます。
12月04日(木)18:30