新たなクマの目撃情報が次々と寄せられる中、秋田市の中心市街地にある千秋公園は13日、約3週間ぶりに立ち入り規制が解除されました。市街地でのクマの脅威が残る中、園内の施設は日常を取り戻すとともに、多くの人に秋田の魅力を知ってもらおうと奮闘しています。
秋田市の千秋公園は、一時的な解除を含め、約3週間にわたり立ち入りが制限されました。規制解除から一夜明けた14日、園内は秋田港に寄港したクルーズ船の利用客などでにぎわっていました。
10月25日のリニューアルオープン直後に臨時休館を余儀なくされた佐竹史料館前では、甲冑(かっちゅう)を着て観光客を出迎える職員の姿がありました。
佐竹史料館・伊藤武士事務長:
「見学したいという問い合わせや、見学を断った団体もいる。とても心苦しく思っていたので、ぜひ改めて開館したので史料館に訪れてほしい」
一方で、約3週間にわたる封鎖は、園内の施設に様々な影響を及ぼしています。
あきた舞妓の拠点である松下もその一つ。園内の劇場を使うことができなくなり、秋田市内のイベント施設を借りて営業を続けてきました。
舞妓は毎朝、茶会や公演で使う道具を自ら車に積んで会場に行き、会場づくりを担います。14日も協力しながら準備を整え、無事に客を迎えました。
本来とは違う形であっても「観光客を楽しませたい」という思いは変わりません。
アメリカから来た人は「別の場所に移動してのパフォーマンスだったが、とても素晴らしかった」「舞妓たちは美しくとてもかわいかった。会場の移動はとてもいい判断だった。美しい衣装でかわいらしい舞妓たち。本当にありがとう」と話していました。
あきた芸者・おとはさん:
「千秋公園含め、秋田市内どこにクマが出てもおかしくない状況。文化が途絶えないよう形を変えながらでも色々やっていければと思い、日々取り組んでいる」
公園の封鎖で会場を借りたり、舞妓を送迎したりと経済的な負担が増えたものの、松下が休業しなかったのはある思いからです。
株式会社せん・工藤実総支配人:
「感覚的にコロナの時に似ている。観光事業者の一角として、せめて外から来る人たちをがっかりさせないよう知恵を絞って、やれることを少しでも楽しんでもらえることを考えることがすごく大事だと思っている。安全第一は大前提にしながら、みんなで工夫して秋田に来る人に喜んでもらえるように、自分たちも含めて秋田が元気を落とさないように、みんなで笑顔で頑張ることが大事」
あきた舞妓は15日、拠点の松下での公演を再開します。
11月14日(金)18:30