―遊BU 部訓―
秋田の風は、心をほどく
「秋田って、何があるの?」
旅先でそう尋ねられるたび、私は言葉を選ぶ。
なぜなら、秋田は“何かがある”土地ではない。
秋田は、“何かがほどけていく”場所だからだ。
ビルの谷間では聞こえない音がある。
たとえば、稲穂が風に触れたときの、まるで遠い昔の誰かがささやくような音。
たとえば、雪の降り始めが知らせてくれる、静寂という名の贈り物。
秋田の空は、広さではなく「深さ」で語るものだ。
朝焼けが山の端を撫で、夕暮れが湖に溶けてゆく。
その景色のなかで、人は「忘れていた自分」をふと取り戻す。
私は今、「秋田の魅力を日本全国へ」という旗を掲げて動いている。
番組『遊BU~大人の部活~』では、部長として、秋田の”当たり前”を“特別”に変える役目を担っている。
それは、地元の笑い声に耳を澄ませ、誇りを掘り起こし、まだ知られていない秋田を映すことだ。
秋田の魅力は、豪華さではない。
それは心の奥で“懐かしい未来”を感じさせる、やわらかで確かな力だ。
この秋田の空気が、誰かの疲れた夜にそっと届くことを願って。
今日も私は、秋田の風を胸に、伝える旅を続けている。
by部長&副部長
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